SSブログ

なぜ新聞だけに軽減税率が適用され、同じような雑誌に適用されないのか? [日本経済]

自民党と公明党の闇決着で新聞だけ軽減税率が適用される見通しだと報道されていますが、多くの国民は「なぜ?新聞だけが・・・」とお思いのことと思います。


それに軽減税率が適用されるのは「宅配される新聞のみ」です。駅の売店や売り子が売り歩く新聞、そして電子新聞には適用されません。これもまたおかしいですね。そして、同じ紙媒体である雑誌・週刊誌・コミック類には適用されない見通しで、今後の検討課題だとか・・・。

この指摘に対して日本新聞協会はホームページ上で次のように答えています。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Q:なぜ新聞に軽減税率が必要なのか?

A:ニュースや知識を得るための負担を減らすためだ。新聞界は購読料金に対して軽減税率を求めている。読者の負担を軽くすることは、活字文化の維持、普及にとって不可欠だと考えている。

Q:軽減税率という制度は外国にもあるのか?

A:欧米をはじめ先進諸国では、食料品などの生活必需品や活字媒体への税負担を減免する制度がある。

Q:新聞にも適用されているのか?

A:書籍、雑誌も含めて、活字文化は単なる消費財ではなく「思索のための食料」という考え方が欧州にはある。新聞をゼロ税率にしている国もイギリス、ベルギー、デンマーク、ノルウェーの4か国ある。欧州連合(EU)加盟国では、標準税率が20%を超える国がほとんどで、その多くが新聞に対する適用税率を10%以下にしている。

http://www.pressnet.or.jp/keigen/qa/

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ということで、あくまでも新聞は情報取得のために欠かせないもので低所得者ほどその恩恵が大きいと言わんばかりですが、はたしてそうなのでしょうか?橋本市長がこのことを記者会見で指摘したところ、回答した日経新聞社の記者の返答は的を得ていないばかりか、かなりしどろもどろだったそうです。


それにしても、あれほど消費税アップが必要だとさんざん新聞紙上で書き立て、国民の賛意を得ようとしてきた新聞が自分のところだけは勘弁してとは道理が通らないのではないのか?と思うわけです。


その回答は新聞の宅配制度にあるようです。

sinbunhakou.jpg

これを見るとわかるように全国の新聞販売店の数は年々減少していて、新聞発行部数がピーク(下図)だった1997年当時を100%とすると、2014年には78%まで減ってしまっています。販売店店主の高齢化や少子化などの影響もあるかと思いますが、従来より販売店の収入が減ってきているからでしょう。これは下図に示す新聞発行部数の推移からもわかります。

sinbunhakou2.jpg

新聞発行部数はピーク時の1997年を100%として2014年には83%にまで減っています。これがすなわち総売り上げになるので、売店などを除いた新聞専門販売店の収入は減少傾向にあることがわかり、人件費の高騰なども考えると販売店を維持していくのが難しくなってきているように思います。ここまで発行部数を減らした原因は主に新聞社の報道姿勢(真実を報道しない)にあるのは明らかであり、最近ではネットで間作した方がはるかに正しい情報が得られます。そうしたことから国民の新聞離れは今後まずます加速していくことでしょう。まして、今回の軽減税率適用の正しい理由をきちんと言わないなら、よけい不信感を買い新聞を購読しなくなるのでは・・・と思います。

(ここから)

販売店の収入の半分ほどは、新聞を配達することの対価から成りますが、あとの半分ほどは折り込み広告の収入から成り、その折り込み広告の収入も販売部数に応じて決まるからなのです。 すなわち、新聞社にしても、個々の新聞販売店にしても、販売部数を減らさないことが死活的に重要だということなのです。 さらに言えば、宅配制度の割合が小さくなればなるほど、新聞の売れ行きの変動が激しくなるとともに、新聞社が各販売店に割り当てることによって売り上げ部数をかさ上げするテクニック(偽装)が利用しにくくなってしまうのです。 要するに、新聞社は、宅配制度を悪用して各新聞販売店が個々人と契約を締結している部数以上の新聞を毎日送り付け、新聞が実際以上に売れているように偽装することが可能だということなのです。 新聞社は、各販売店に配達手数料を支払うとともに販売促進費を支払っているのですが、それらの合計額のうちの2割ほどは販売手促進費が占めているのです。 何故、そのような多額の販売促進費を支払うことができるかと言えば、そもそも本来配達されずに廃棄処分になることが予想されるものを個々の販売店に押し付けているからではないのでしょうか。 ということで、このまま販売店が減り続けていくと、いつかは宅配制度に大きく依存する今までの新聞の経営戦略が成り立たなくなってしまうので、新聞業界はどうしたものかと自問自答しているのだと思います。
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2015/12/16/024967.php

(ここまで)

このように今回新聞だけ軽減税率を求めたのにはこうした背景があったからでしょう。全国の新聞販売店保護もあると思いますが、消費税増税によって新聞発行部数の減少と広告費の沈下に耐えられないと判断したからでしょう。ならば、きちんとその内容を伝え、本来の新聞の報道役割を果たすべきことが信頼回復につながるのではないかと思います。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。