SSブログ

東京生活に見切りつけて… 若者たちが続々と地方移住を目指す理由 [政治・経済]

東京生活に見切りつけて… 若者たちが続々と地方移住を目指す理由

最近の統計によると、東京での生活をあきらめ、新天地として地方に移住する人が増えて
いるようです。中でも20代と30代の占める割合は2008年に16%であったのが10年後の
2018年には50%近いところまで増えています。約3倍以上に増えたことになります。

その変化の原因は果たして?


tihouijyuu.jpg


(ここから)

「田舎暮らし」と聞いて、あなたはどんな生活をイメージするだろうか。定年退職後に都会の喧騒から離れて、緑豊かな大自然に囲まれてゆったり過ごす。晴れの日は土を耕し、雨が降れば家の中で書に親しむ。夕食は地ものを肴に酒を酌み交わす――そんな悠々自適の生活をイメージする人が多いはずだ。

 だが実像は変わりつつある。東京にある地方移住を希望する都市住民と全国の地方自治体とのマッチングを行う「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」理事長の高橋公さんが指摘する。

「2008年から2018年の10年で、移住相談の件数は、2475件から4万1518件の20倍に増えました。以前は50代以上が相談者の7割でしたが、今は20~40代が7割を超え、若い世代ほど移住を希望するようになりました。相談内容も以前は“定年後に住むいい移住先はありませんか”という漠然としたものでしたが、最近は、“○○県に移住したい”という具体的な希望になりました」

 SNSの普及も若い世代の移住志向を後押ししているという。

「地方に移住した若者がスマートフォンを使い、SNSに田舎暮らしの様子をきれいな写真付きでアップするんです。それを見た都会の若者が“地方もいいもんだな”と感化されて、移住志向が一段と高まったようです」(高橋さん)

 実際に地方移住者は増えている。毎日新聞とNHK、明治大学地域ガバナンス論研究室の共同調査によると、2014年の地方移住者数は1万1735人で、2009年度からの5年間で4倍以上に増えたという。

 定年後の晴耕雨読は、今は昔。若い世代は何を求めて、地方に向かうのだろうか。

東京だと「子供部屋」も作れない

 地方移住ブームの背景にはまず、東京一極集中の緩和を目指す政府の戦略がある。

 2014年からスタートした内閣府の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は今年度から、地方創生政策の目玉の1つとして、「起業支援金・移住支援金」を導入した。

 東京圏外に移住して起業や就職をした東京23区の在住者または通勤者を対象に、最大300万円の支援金を支給する仕組みで、今年度からの6年間で東京圏から地方に移住して起業・就職する人を6万人増やすことを目指す。一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事で、地域再生事業家の木下斉さんが指摘する。

「今は高齢化が進んで地方の人口減が加速する一方、東京など都市部の人口が増え続けています。このまま東京の一極集中と地方の人口減が進むと、多くの自治体が立ち行かない。そこで国は『地方創生』を掲げて、地方を盛り上げるさまざまな政策を打ち出すことになりました」

 まだ国の政策がすべて機能しているとは言い難いなか、地方移住者が増えているのは、「東京にこだわらない若者」が続々と登場し、活躍しているからだ。

「昔は田舎から東京に出て、企業の正社員になってバリバリ働く人が多かった。でも今は派遣やアルバイトなどの非正規社員やフリーランスとして働く人が大幅に増えて、以前の働き方とは変化してきました。

 さらに東京は土地代が高騰して都心に自宅を持つことは難しく、通勤には満員電車が避けられない。生活環境の質は、昔と比べて悪くなっている。その中で必死に競争して他人を押しのけて出世するよりも、自分の理想にそった暮らしを望む若者が増えていると移住相談者の声から感じます」(高橋さん)


 地方経済に詳しい明治大学政治経済学部准教授の飯田泰之さんは、「地方移住を希望する共働き世帯も増えている」と指摘する。

「一昔前は東京郊外に家を持ち、夫は往復2時間以上かけて通勤し、妻は家を守るという生活が一般的でした。でも今は共働きが当たり前になり、夫婦そろって長い時間をかけて通勤するよりも、地方の安い家に住んで豊かな暮らしをしたいと望む人が増えました。実際に、都内では家賃が20万円もするような物件が地方では半額以下で借りられるし、一戸建ても格安ですからね」(飯田さん)


安い家賃と支援制度

 もともと地方は住宅コストが安いうえ、最近は「空き家バンク」で空き家を上手に斡旋する自治体も増えている。前出の木下さんは「地方は人生のステージや目的に合わせて使うのがいい」と指摘する。

「都会で子供部屋を作るのは大変な費用がかかりますが、地方なら無料で家を譲ってくれるケースもあります。子供が小さいうちは自然豊かな田舎に住むという若い夫婦もいます。都内で騒がれている待機児童問題も地方にはめったになく、人口政策として子育て支援を打ち出していない自治体は見つけられないほどです」

 ふるさと回帰支援センターのアンケートでは、移住先を選ぶ条件として「就労の場があること」がダントツのトップとなった。都内ほど高収入な仕事はないが、木下さんは「選択肢は増えてきている」と話す。

「地方の大きな魅力は不動産が安いこと。また、競合となる企業が少なく、人材引き抜きのリスクが低い。そのため、東京などに本社を置くIT企業のサテライトオフィスが徳島県神山町や宮崎県日南市などの地方に集まるようになっています。さらに、デザイナーなど働く場所を問わない自営可能な人であれば、新規創業支援制度を活用することも可能です」(木下さん)


 サテライトオフィスとは、企業が本社から離れた場所に設置したオフィスのことで、支店や支社よりも小規模なことが特徴だ。育児や介護など、生活と仕事を両立しやすいメリットがある。

 そしてやはり、移住後の大きな障壁となるのが「人間関係」だ。

「地域によっては『移住者はよそ者』という意識が根強く、“わざわざ東京から何をしに来たのかね”という目で新参者を見る地域も。そのため移住先になじめず、1年ほどで東京に戻ってしまう人もいます。それで私たちは、“困った時には相談してください”と気さくに声を掛けてくれる『移住者の応援団』を作ってほしいと各自治体に要望しています」(高橋さん)

※女性セブン2019年7月25日号

(ここまで)


地元の県でも、今年は県内就職希望者が昨年の3倍というから、地方でも同じ
動きが出てきているようです。これが地方活性化につながってゆけば地方も
住みやすくなるものと思います。




nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 2

ねこ

20代~40代の地方移住の相談者が20%を超えてるとは
意外でした・・・。
東京の人口集中は、さすがに限界に来ているかと。
ただ、地方でも人の集まる所は東京と同じ問題を抱えて
しまっているかも。

自分の住むところは朝夕のバイパス渋滞が日本一を記録したり
住宅が建ち過ぎてる割に、歩いていける店が少なかったり
今、いろんな問題が出始めています。

地方への移住については良く調べ、雪の降る地域などは
冬、最も積雪が多い時に短期間、体験的な滞在をするとか
した方がいいかと。

観光で雪国に行くのと移住して済むのでは全然違いますし・・。
小さな自治体だと人間関係もありますしね・・・。
あと、地方に本当にしたい仕事があるのか ? など、この辺は
冷静に判断して行動してもらいたいですね。




by ねこ (2019-11-17 20:33) 

ada755

ねこ 様

私もこの記事は意外でした。どのニュースや記事を見ても都会集中の傾向が加速しているとありますからね。
でも、若者がそうした流れにあるというのは素晴らしいことだと思います。若い人が地方に増えれば今よりも斬新な考えを持って地方を活性化する人が増えていくと思います。そして、死後ともどんどん増えていくと思います。


by ada755 (2019-11-20 22:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。